『資本論』を読む会の報告

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2009年 02月 10日

第132回 2月10日 第1章 第4節 商品の呪物的性格とその秘密

2月10日(火)に第132回の学習会を行いました。「読む会通信№319」をもとに、前回までの復習をした後、「第1章 商品 第4節 商品の呪物的性格とその秘密」の第11段落を輪読、検討しました。

●は議論の報告、■は資料、★は報告者によるまとめや意見、問題提起です。
引用は、原則として《》を用いて示し、読む際の便宜を考慮して漢数字を算用数字に変換する場合があります。

■テキストの内容と議論
第1章 商品 第4節 商品の呪物的性格とその秘密
第11段落

・このような諸形態こそはまさにブルジョア経済学の諸範疇をなしているのである。それらの形態こそは、この歴史的に規定された社会的生産様式の、商品生産の、生産関係についての社会的に認められた、つまり客観的な思想形態なのである。
・それゆえ、商品世界の一切の神秘、商品生産の基礎の上で労働生産物を霧のなかに包み込むいっさいの奇怪事は、われわれが他の生産形態に逃げこめば、たちまち消えてしまうのである。

●「このような諸形態」とは何かという疑問が出され、商品・価値・貨幣・価格(さらには資本・利潤・地代)などではないかということになりました。そして、ブルジョア経済学の諸範疇は、単にブルジョア経済学者の誤った考えに基づく主観的なものではなく、資本主義社会における必然的(客観的)な思想形態だということも確認しました。また、「ブルジョア経済学では、労働力の価格は、労賃つまり労働の価格としてとらえられる。それは科学的には間違いではあるが、資本主義社会の中で生活している人々の一般的な認識でもある」との発言がありました。

■マルクスコレクション版では《この種の[経済的]形態こそがまさにブルジョア経済学のカテゴリーをなしている。このようなカテゴリーは、商品生産という歴史的に規定された社会的生産様式の生産関係にとっては、社会的に妥当な、したがって客観的な思想形態である。だから商品世界のすべての神秘主義、すなわち商品生産に基づく労働生産物を霧で覆い隠すすべての魔法と亡霊は、われわれが別の生産形態に逃げ出すやいなや、ただちに雲散霧消してしまう。》となっている。(116-117頁)

■フランス語版では《ブルジョア経済学の諸範疇は、それらが現実の社会的諸関係を反映するかぎり、客観的な真理をもつ悟性形態であるが、これらの諸関係は、商品生産が社会的な生産様式であるような特定の歴史時代にしか属していない。われわれが別の生産形態を考察すれば、現代において労働生産物を覆い隠しているこの神秘性はまるごと、たちまちに消え失せるであろう。》となっている。(51-52頁)

●「《歴史的に規定された社会的生産様式の》と《商品生産の》は並列であり、それぞれが生産関係にかかる」との発言がありました。つまり商品生産は、歴史的に規定された社会的生産様式だということを述べているということでしょう。

●《思想形態》は、新日本版では《思考諸形態》となっている。

■生産関係 せいさんかんけい
生産過程の中で人間が互いに必然的に結んでいる社会的関係の総体。生産手段の所有関係が基本であるが,それから生じる階級や階層の関係,種々の生産部門への労働の配分関係,さらに生産に基づく交換と分配の関係を含む。社会の下部構造をなし,生産力とともに生産様式の一側面である。生産力の発展はそれに照応した生産関係を生み,後者は前者の発展を促すが,後その障害に転じる。マルクス主義経済学の基本的カテゴリーの一つである。(マイペディア)

■生産力 せいさんりょく
人間の心身の生産能力,労働手段と労働対象,科学技術など,労働生産性の高さを決定する主観的・客観的要素の総体。生産関係とともに生産様式の一側面をなす。生産諸力のうち創造能力を備える労働力が最重要。(マイペディア)

■生産様式 せいさんようしき
一定の生産力とそれに照応する一定の生産関係が結合してつくられている社会的生産の歴史的形態。史的唯物論の基礎概念。生産力の発展が生産関係に妨げられると,古い生産関係は破砕され新たな生産様式に置き換えられる。歴史上,原始共産制,奴隷制,封建制,資本主義的,社会主義的の五つの基本的な型がある。(マイペディア)


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by shihonron | 2009-02-10 23:30 | 学習会の報告


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