『資本論』を読む会の報告

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2009年 02月 24日

第134回 2月24日 第1章 第4節 商品の呪物的性格とその秘密

2月24日(火)に第134回の学習会を行いました。「第1章 商品 第4節 商品の呪物的性格とその秘密」の第14段落から第15段落を輪読、検討しました。

●は議論の報告、■は資料、★は報告者によるまとめや意見、問題提起です。
引用は、原則として《》を用いて示し、読む際の便宜を考慮して漢数字を算用数字に変換する場合があります。

■テキストの内容と議論
第1章 商品 第4節 商品の呪物的性格とその秘密
第14段落

・共同的な、すなわち直接に社会化された労働を考察するためには、われわれは、すべての文化民族の歴史の発端で見られるような労働の自然発生的な形態にまでさかのぼる必要はない。
・もっと手近な例は、自分たちの必要のために穀物や家畜やリンネルなどを生産する農民家族の素朴な家父長的な勤労である。
・これらのいろいろな物は、家族に対してその家族労働のいろいろな生産物として相対するが、しかし、それらが互いに商品として相対しはしない。
・これらの生産物を生みだすいろいろな労働、農耕や牧畜や紡績や織布や裁縫などは、その現物形態のままで社会的な諸機能である。
・というのは、それらは、商品生産と同様にそれ自身の自然発生的な分業をもつ家族の諸機能だからである。
・男女の別や年齢の相違、また季節の移り変わりにつれて変わる労働の自然的条件は、家族のあいだでの労働の配分や個々の家族成員の労働時間を規制する。
・しかし、継続時間によって計られる個人的労働力の支出は、ここでははじめから労働そのものの社会的規定として現れる。
・というのは、個人的労働力ははじめからただ家族の共同的労働力の諸器官として作用するだけだからである。

★マルクスは、ここでは「共同的な労働」と「直接に社会化された労働」を同じ意味でつかっている。

●《すべての文化民族の歴史の発端で見られるような労働の自然発生的な形態》とはなにかという疑問が出され、「いわゆる原始共産制のことではないか」との発言や「階級が発生した後でも共同体は様々な形で残っている。そうした共同体での労働のことではないか」との発言がありました。

■【原始共産制】
階級分化の行われる以前の原始社会に存在したと推定される社会体制。血縁関係を基礎に土地や生産手段を共有し、共同で生産・分配・消費を行うもの。(大辞泉)

■ 【共同体】 community
[1]「共同社会」に同じ。
[2]マルクス主義で、近代の私的所有社会以前に存在するとされる社会。生産手段の私的所有はいまだ発達せず、生産は消費を目的として、商品・貨幣関係を媒介しないで、身分的な編成を伴って、直接、社会的に組織される。アジア的・古典古代的・ゲルマン的の三つの形態をもつ。 (大辞林)

■【家族】
1 夫婦とその血縁関係者を中心に構成され、共同生活の単位となる集団。近代家族では、夫婦とその未婚の子からなる核家族が一般的形態。
2 民法旧規定において、戸主以外の家の構成員。 (大辞泉)

■ 【家父長制】
父系の家族制度において、家長が絶対的な家長権によって家族員を支配・統率する家族形態。また、このような原理に基づく社会の支配形態。 (大辞泉)

第15段落
・最後に、気分を変えるために、共同の生産手段で労働し自分たちのたくさんの個人的労働力を自分で意識して一つの社会的労働力として支出する自由な人々の結合体を考えてみよう。
・ここでは、ロビンソンの労働のすべての規定が再現するのであるが、ただし、個人的にではなく社会的に、である。
・ロビンソンのすべての生産物は、ただ彼ひとりの個人的生産物だったし、したがって直接に彼のための使用対象だった。
・この結合体の総生産物は、一つの社会的生産物である。
・この生産物の一部分は再び生産手段として役だつ。
・それは相変わらず社会的である。
・しかし、もう一つの部分は結合体成員によって生活手段として消費される。
・したがって、それは彼らのあいだに分配されなければならない。
・この分配の仕方は、社会的生産有機体そのものの特殊な種類と、これに対応する生産者たちの歴史的発展度とにつれて、変化するであろう。
・ただ商品生産と対比してみるために、ここでは、各生産者の手にはいる生活手段の分けまえは各自の労働時間によって規定されているものと前提しよう。
・そうすれば、労働時間は二重の役割を演ずることになるであろう。
・労働時間の社会的に計画的な配分は、いろいろな欲望にたいするいろいろな労働機能の正しい割合を規制する。
・他面では、労働時間は同時に、共同労働への生産者の個人的参加の尺度として役だつ。
・人々が彼らの労働や労働生産物にたいしてもつ社会的関係は、ここでは生産においても分配においてもやはり透明で単純である。

★《ロビンソンの労働のすべての規定》とは、以下のようなことであろう。
(1)いろいろな欲望を満足させなければならないのだから、いろいろな種類の有用労働をしなければならない。
(2)必要な物の生産に必要とされる労働時間を考慮して総労働時間をいろいろな機能のあいだに配分する。
(3)生産物は、生産者のものであり、生産者によって消費される。


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by shihonron | 2009-02-24 23:30 | 学習会の報告


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