『資本論』を読む会の報告

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2009年 10月 20日

第163回 10月20日  第3章 第3節 貨幣 b 支払い手段

10月20日(火)に第163回の学習会を行いました。「第3節 貨幣 b支払い手段」の第1段落から第4段落までをレジュメに基づいた報告を受け、検討しました。以下はレジュメです。

『資本論』第1巻 第三章 貨幣または商品流通
 第三節 貨幣 b 支払手段


第1段落 商品の譲渡と価格の実現の分離 ――商品の価値形態の展開を変える。
(1)商品流通の発展とともに、商品の譲渡がその商品の価格の実現から時間的に分離される。
(2)ある商品所有者は、別の商品所有者が買い手として登場する前に、売り手として登場することがありえる。
   (例)①商品生産にかかる時間の長短。
     ②商品生産が季節に結びつく場合。
     ③市場に近いか遠いか。  
     ④家屋の利用
商品の販売条件は、商品の生産条件によって規制される。
(3)一方の商品所有者は現存する商品を売るが、他方は、貨幣の単なる代表者として、買う。
   このとき、①売り手は債権者となり、②買い手は債務者となる。
(4)この場合、商品の変態、または商品の価値形態の展開が変わるので、貨幣もまた一つの別の機能を受け取る。貨幣は支払手段となる。

第2段落 債権者と債務者  ――商品流通の場合と古代、中世の場合。
(1)債権者、債務者という役柄は、単純な商品流通から生じる。
(2)この役柄が、商品流通とはかかわり無く登場することがありうる。
   ①古典古代(ローマでは平民の債務者が没落)
   ②中世  (封建的債務者の没落)

第3段落 支払手段の機能 ――流通過程を媒介しないのに流通過程を完結させる貨幣
(1)商品と貨幣という二つの等価物が販売過程の両極に同時に現れなくなる。
貨幣は、①売られる商品の価格の価値尺度として機能する。契約によって確定された商品の価格は、買い手の債務であり、一定期限に支払う責任のある貨幣額を示す。
     ②観念的購買手段として機能する。買い手の支払約束のうちに実存する。
(2)現実に支払手段が流通に入ってくるのは、商品が流通から出て行った後のことである。
 貨幣は、もはやこの過程を媒介するのではない。
 貨幣は、交換価値の絶対的定在、または一般的商品として、この過程を自立的に閉じる。
  債務者である買い手が、商品を貨幣に転化したのは、支払うことができるようになるためであり、流通過程そのものの諸関係から生じる社会的必然によって販売の目的そのものになる。
 
第4段落 商品変態の順序が変更 ――第一変態より第二変態が先になる。
 買い手は、自分の商品を貨幣に転化する(売る)前に、貨幣を商品に再転化する(買う)。
(仏語版)農民:(通常の商品変態) 小麦――貨幣――リンネル
     農民は、リンネルを買い、1ヵ月後にその支払をする。
つまり、貨幣―リンネル(第二変態)を先行させる。
     リンネルは流通し、その所有者は、私法上の貨幣請求権において、価格を実現する。
     リンネル商品は、貨幣に転化する前に、使用価値に転化する。
【注98】「貨幣の前払い」は、貨幣が購買手段として機能するだけ。
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by shihonron | 2009-10-20 23:30 | 学習会の報告


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