『資本論』を読む会の報告

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2010年 03月 30日

第182回 3月30日第7章 剰余価値率

3月30日(火)に第182回の学習会を行いました。
 レジュメにもとづく報告を受け、「第7章 剰余価値率」の第16段落から第4節の最後までを検討しました。
 以下は当日配布されたレジュメの当該の部分です。

第7章 剰余価値率  第1節 労働力の搾取度

第17段落
・そこでまず、1万個のミュール紡錘をそなえ、アメリカ綿から32番手の糸を紡ぎ、毎週1紡錘あたり1ポンドの糸を生産するという一紡績工場の例をとろう。
・屑は6%とする。
・すると、毎週10600ポンドの綿花が加工されて、10000ポンドの糸と600ポンドの屑とになる。
・1871年4月にはこの綿花は1ポンドあたり3/4ペンスで、10600ポンドでは約342ポンド・スターリングになる。
・1万個の紡錘は、前紡機と蒸気機関とを含めて、1紡錘あたり1ポンド・スターリング、したがって10000ポンド・スターリングである。
・その損耗は、10%=1000ポンド・スターリング、1週間では20ポンド・スターリングである。
・工場建物の賃借料は、300ポンド・スターリング、週あたり6ポンド・スターリングである。
・石炭は(1時間1馬力当たり4ポンド、100馬力(指示器)で毎週60時間とし、建物の採暖用を含めて)週当たり11トン、1トン当たり8シリング6ペンスで、週当たり約4と1/2ポンド・スターリングとなる。
・ガスは週当たり1ポンド・スターリング、油は週当たり4と1/2ポンド・スターリング、したがって補助材料の合計は週当たり10ポンド・スターリングとなる。
・こうして、不変価値部分は週当たり378ポンド・スターリングである。
・労賃は、週当たり52ポンド・スターリングである。
・糸の価値は1ポンドにつき12と1/2ペンス、10000ポンドでは510ポンド・スターリングであり、したがって剰余価値は510-430=80ポンド・スターリングである。
・われわれは不変資本価値部分378ポンド・スターリングをゼロに等しいとする。
・というのは、それは毎週の価値形成には参加しないからである。
・そこで、毎週の価値生産物132=52v+80mポンド・スターリングが残る。
・したがって、剰余価値率は80/52であり、153と11/13%となる。
・10時間の平均労働日では、必要労働は3と31/33時間で剰余労働時間は6と2/33時間である。

■1シリング=12ペンス

★週当たり   綿花        342
        機械の損耗      20
        工場建物の賃借料    6              
        
        石炭          4と1/2
        ガス          1
        油           4と1/2  補助材料 10 

                         不変資本部分 378
        
        労賃         52      可変資本部分

生産物価値     510

剰余価値 510-(342+20+6+10)-52
     =510-378-52=80 

剰余価値率 80/52=153と11/13%

剰余労働:必要労働=剰余価値:労賃=80:52=20:13

        1労働日(10時間)のうちの必要労働=10×52/132
=10×13/33
=130/33
=3と31/33(時間)

1労働日(10時間)のうちの剰余労働=10×80/132
=10×20/33
=200/33
=6と2/33(時間)


第18段落
・ジェーコブは、1815年について、1クォーター当たり80シリングの小麦価格、1エーカー当たり22ブッシェルの平均収穫、したがって1エーカーは11ポンド・スターリングをあげるものと仮定して、次のような計算を与えている。
・それは種々の項目が前もって補正されているためにきわめて不完全ではあるがわれわれの目的には十分にまにあう計算である。

         1エーカー当たりの価値生産
    種子(小麦) 1ポンド  9シリング  十分の一税、地方税、国税 1ポンド 1シリング
    肥料     2ポンド 10シリング  地代           1ポンド 8シリング
    労賃     3ポンド10シリング   借地農業者利潤および利子 1ポンド 2シリング
     計  7ポンド9シリング       計   3ポンド11シリング

■1ポンド・スターリング=20シリング

第19段落
・生産物の価格はその価値に等しいという前提はつねに変わらないとすれば、剰余価値は、ここでは利潤や利子や十分の一税などといういろいろな項目に分割される。
・これらの項目はわれわれにはどうでもよい。
・われわれはそれらを合計して3ポンド11シリングという剰余価値を得る。
・種子や肥料の3ポンド19シリングは、不変資本部分としてゼロと等しいとする。
・すると、前貸可変資本3ポンド10シリングが残り、それに代わって、3ポンド10シリング・プラス・3ポンド11シリングという新価値が生産されている。
・そこで、m/v=3ポンド11シリング/3ポンド10シリングとなり、100%よりも大きい。
・労働者は彼の労働日の半分よりも多くを剰余価値の生産のために費やし、これをいろいろな人々がいろいろな口実のもとに自分たちのあいだで分配するのである。


第2節 生産物の比例配分的諸部分での生産物価値の表示

・必要労働時間=6時間 剰余労働時間=6時間 労働の搾取度=100%

・12時間労働日の生産物=30シリングという価値のある20ポンドの糸

・消費された生産手段の再現した部分(不変資本部分)=24シリング(綿花20シリング、紡錘など4シリング)

・紡績過程中に生じた6シリングの新価値=可変資本を補填3シリング+剰余価値3シリング

・糸価値30シリング=24シリングc+3シリングv+3シリングm
 20ポンドの糸  =16ポンドの糸(c)+2ポンドの糸(v)+2ポンドの糸(m)
 16ポンドの糸(24シリングの不変資本の価値)=131/3ポンドの糸(原料綿花の 価値20シリング)+22/3ポンドの糸(補助材料や労働手段4シリング)

・c:v:m=8:1:1  cのうち(原料):(補助材料や労働手段)=5:1
 したがって (原料):(補助材料や労働手段):(可変資本部分):(剰余価値部分)
       =20 : 4 : 3 : 3

(原料)       =20シリング= 131/3ポンドの糸→40時間の過去の労働
(補助材料や労働手段)=4シリング = 22/3ポンドの糸 →8時間の過去の労働
(可変資本部分)   =3シリング = 2ポンドの糸  →6時間の労働
(剰余価値部分)   =3シリング = 2ポンドの糸 →6時間の労働

・131/3ポンドの糸は、総生産物の原料だけを表している。

・22/3ポンドの糸は、20ポンドという糸という総生産物に消費された補助材料と労働手段だけを表している。

・16ポンドの糸は、使用価値としてみれば、糸としては、残りの生産物部分と全く同じに紡績労働の形成物であるにもかかわらず、この関連では少しも紡績労働を、つまり紡績過程そのもので吸収された労働を、含んでいない。

・これと反対に残りの4ポンドの糸は、今では、12時間労働の紡績過程で生産された6シリングの新価値の他にはなにも表してはいない。20ポンドの糸に具体化された紡績労働が、生産物の10分の2に集約されているのである。

・こうして毎日の紡績労働の全価値生産物が4ポンドの糸になって存在するのであるが、この4ポンドのうち、半分はただ消費された労働力の補填価値だけを表し、つまり3シリングの可変資本だけを表し、残りの2ポンドの糸はただ3シリングの剰余価値だけを表しているのである。

・20ポンドの糸 ← 60労働時間

・16ポンドの糸 ← 紡績過程以前に過ぎ去った48時間労働
          (糸の生産手段に対象化された労働の物質化)

・4ポンドの糸 ← 紡績過程そのもので支出された12時間労働の物質化

・糸の価値は、糸の生産中に生み出された新価値とすでに糸の生産手段のうちに前から存在していた価値との合計に等しい。今ここで示されたのは、生産物価値のうちの機能的または観念的に違った諸成分は生産物そのものの比例配分的諸部分で表されうる、ということである。

・このように生産物――生産過程の結果――が、ただ生産手段に含まれている労働または不変資本部分だけを表している生産物量と、ただ生産過程でつけ加えられた必要労働または可変資本部分だけを表しているもう一つの生産物量と、ただ同じ過程でつけ加えられ剰余労働または剰余価値だけを表している最後の生産物量とに分かれるということは、のちにこれが複雑で未解決な諸問題に応用されるときにわかるように、簡単なことであると同時に重要なことでもある。

●ここで言われている《複雑で未解決な問題》とは何かという疑問が出され、「利潤率のことではないか」「スミスのv+mのドグマのことではないか」という発言がありました。

・これまでわれわれは総生産物を12時間労働日の既成の結果として考察した。しかし、われわれはまたこの総生産物といっしょにその成立過程をたどりながら、しかもいくつかの部分生産物を機能的に区別された生産物部分として示すこともできるのである。

・12時間で20ポンドの糸を生産する。
・1時間で12/3ポンドの糸を生産する
・8時間で131/3ポンドの糸を生産する…1労働日に紡がれる綿花の総価値に相当する部分生産物を生産する
・1時間36分で22/3ポンドの糸を生産する…12労働時間中に消費される労働手段の価値を表している
・1時間12分で2ポンドの糸を生産する…6時間の必要労働でつくりだす全価値生産物に等しい生産物価値
・1時間12分で2ポンドの糸を生産する…6時間の労働によって生産された剰余価値に等しい

・このような計算の仕方は、イギリスの工場主のためには日常の使用に役立つのであって、たとえば彼は、1労働日の最初の8時間すなわち3分の2では自分の綿花を回収し、等々と言うであろう。もちろん、この方式は正しい。じっさいそれは、ただ第一の方式を、生産物の諸部分ができ上がって並んでいる空間から、それが次々にでてくる時間に翻訳したものにすぎない。

・しかしまた、この方式は非常に粗雑な考え方をともなうこともありうる。ことに、実際上は価値増殖過程に関心をもちながら理論的にはそれを曲解することを利益とする人々の場合には、なおさらそうである。たとえば、次のように思いこむこともありうる。

・われわれの紡績工は、彼の労働日の最初の8時間では綿花の価値を、次の1時間36分では消費された労働手段の価値を、さらに次の1時間12分では労賃の価値を生産または補填し、そして、ただあの有名な「最後の1時間」だけを工場主に、剰余価値の生産に、捧げるのだ、と。

★紡績工は、8時間で131/3ポンドの糸を生産する。それは、原料である綿花の価値に等しい。しかし、彼が生産したのは糸であり、綿花ではない。彼が8時間で付け加えた(生産した・形成した)価値は4ポンドの糸の価値に等しいのでる。原料である綿花の価値は、彼が生産したのではなく糸の生産以前に存在していたのである。紡績工は、糸を生産することによって(紡績労働によって)すでに存在していた綿花の価値を綿花から糸に移転したのである。

第3節 シーニアの「最後の1時間」

・シーニアは純益の全部が最後の1時間から引き出されていると主張する。彼の説明は以下のようなものである。

・投資額     100000ポンド・スターリング
・工場建物と機械 80000ポンド・スターリング
・原料と労賃   20000ポンド・スターリング
・売上高     115000ポンド・スターリング
・総収益      15000ポンド・スターリング

・115000のうちの100000は、ただ資本を補填するだけ。
・15000のうち5000は、工場と機械類の損耗を補填する。(だから、純益は10000ということになる。)
・「あとに残る2/23、すなわち毎日の二つの最後の半労働時間は、10%の純益を生産する。それゆえ、価値は元のままとして、この工場が11時間半ではなくて13時間作業してもよいならば、流動資本としての約2600ポンド・スターリングの追加によって、純益は2倍よりもおおくなるであろう。他方、もし労働時間が毎日1時間だけ短縮されるならば純益はなくなるであろうし、またもし1時間半短されるならば総収益もなくなるであろう。」

・注32への補足ではシーニアの混乱を指摘し、かれが本当に言いたかったことをまとめている。

・年間労働は11時間半に年間労働日数をかけたものから成っているが、ここでは年間労働を1労働日(11時間半=23/2時間)によって表現している

・23/2労働時間 115000ポンド・スターリングの年間生産物を生産

・20/2労働時間 100000ポンド・スターリングを生産(前貸資本を補填)
・3/2労働時間   15000ポンド・スターリングを生産(総収益を生産)
・この3/2労働時間のうち
  1/2労働時間は5000ポンド・スターリングを生産(工場や機械類の損耗分を補填)
  2/2労働時間は10000ポンド・スターリングを生産(純益を生産)

・シーニアは生産物の最後の2/23を労働日そのものの諸部分に変えているのである。

・機械類や工場建物や原料と労働とをごっちゃにしていること。
・一方の側には工場建物や機械類や原料などに含まれている不変資本を置き、他方の側には労賃として前貸しされる資本をおくべきだったのである。
・労働者は1時間で労賃を再生産または補填するということになれば以下のように続けるべきだったのである。
・諸君のいうところでは、労働者は最後から2番目の1時間で自分の労賃を生産し、最後の1時間で諸君の剰余価値または純益を生産する。

・彼は、同じ長さの時間では彼が、価値を生産するのは、ただ彼が労働を支出するかぎりでのことであって、彼の労働の量は彼の労働時間で計られるのだから、最後から2番目の1時間の生産物は、最後の1時間の生産物と同じ価値をもっている。
・さらに、彼が価値を生産するのは、ただ彼が労働を支出するかぎりでのことであって、彼の労働の量は彼の労働時間によって計られる。
・それは諸君の言うところによれば、1日に11時間半である。
・この11時間半の一部分を彼は自分の労賃の生産または補填のために費やし、他の部分を諸君の純益の生産のために費やす。
・その他には彼は1労働日のあいだ何もしない。
・ところが、陳述によれば、彼の賃金と彼の提供する剰余価値は同じ大きさの価値なのだから、明らかに彼は自分の労賃を53/4時間で生産し、そして諸君の純益を別の53/4時間で生産するのである。
・さらに2時間分の糸生産物の価値は、彼の労賃・プラス・諸君の純益という価値額に等しいのだから、この糸価値は、111/2労働時間で計られ、最後から2番目の1時間の生産物は53/4時間で計られ、最後の1時間の生産物もやはりそれで計られなければならない。

★新たにつけ加えられた(形成された)価値は、労賃と純益の和に等しい。それは11時間半の労働が対象化したものである。

・われわれは、いま、やっかいな点にきている。
・そこで、注意せよ! 最後から2番目の1労働時間も、最初のそれと同じに普通の1労働時間である。
・それよりも多くも少なくもない。
・それでは、どうして紡績工は、53/4時間を表す糸価値を1労働時間で生産することができるのか?
・彼はじつはそんな奇跡は行わないのである。
・彼が1労働時間で使用価値として生産するものは、一定量の糸である。
・この糸の価値は53/4時間で計られ、そのうち43/4は、毎年消費される生産手段すなわち綿花や機械類などのうちに彼の助力なしに含まれており、4/4すなわち1時間は彼自身によってつけ加えられている。
・つまり彼の労賃は53/4時間で生産され、また1紡績時間の糸生産物もやはり53/4労働時間を含んでいるのだから、彼の53/4紡績時間の価値生産物が1紡績時間の生産物価値に等しいということは、けっして魔法でもなんでもないのである。

★ここでマルクスが前提としているのは、1労働日11時間半、必要労働時間も剰余労働時間もともに54/3時間、つまり剰余価値率=100% ということである。
 c:v:m=91/2:1:1=19:2:2 であり、
 c:(v+m)=19:4=43/4:1 である。

・ところで、もし諸君が、綿花や機械類などの価値の再生産または「補填」のために労働者が彼の労働日のただの一瞬間でも失うものと考えるならば、それはまったく諸君の思い違いである。
・彼の労働が綿花や紡錘を糸にすることによって、つまり彼が紡績することによって、綿花や紡錘の価値はひとりでに糸に移るのである。
・これは彼の労働の質のおかげであって、その量のおかげではない。
・もちろん、彼は1時間では半時間よりも多くの綿花価値などを糸に移すであろう。
・しかし、それはただ彼が1時間では半時間よりも多くの綿花を紡ぐからに他ならない。
・そこで、諸君にもおわかりであろう。
・労働者がさいごから2番目の1時間で彼の労賃の価値を生産し最後の1時間で純益を生産するという諸君の言い方の意味するものは、彼の労働日のうちの2時間の糸生産物には、その2時間が前にあろうがあとにあろうが、111/2労働時間が、すなわち彼のまる1労働日とちょうど同じだけの時間が具体化されているということ以外のなにものでもないのである。
・そして、労働者は前半の53/4時間では自分の労賃を生産し後半の53/4時間では諸君の純益を生産するという言い方の意味するところもまた、諸君は前半の53/4時間には支払うが後半の53/4時間には支払わないということ以外のなにものでもないのである。
・私が労働への支払いと言い、労働力への支払いと言わないのは、諸君にわかる俗語で話すためである。

★俗語を用いないで述べるとどうなるのであろうか?
資本家は労働者から労働力をその価値どおりに買う。
労働力の価値が1万円=4時間の労働の対象化したものであったとしても、それは労働者が4時間を超えて働くことを排除しない。
労働者が8時間労働すれば、8時間の労働が対象化された価値=2万円が生産される。
資本家は、1万円と引き替えに2万円を手に入れることができる。
資本家は、対象化した4時間の労働と引き替えに8時間の労働を自分のものとすることができるのである。
8時間の労働のうち、4時間は労働力の価値に等しい部分=必要労働時間であり、残りの4時間は労働者が無償で資本家に引き渡す部分=剰余労働時間である。

・そこで、諸君が代価を支払う労働時間と支払わない労働時間との割合とを比べてみれば、諸君はそれが半日対半日、つまり100%であるのを見いだすであろう。
・余分の1時間半をただの剰余労働につけ加えれば、剰余労働は53/4時間から71/4時間に増え、剰余価値率は100%から1262/23%に上がる。
・10時間半に労働日が短縮されるなら、剰余労働は1時間減って43/4時間になり、剰余価値率は8214/23パーセントになるのであって、純益が全部なくなったりはしない。

第4節 剰余生産物 
・生産物のうち剰余価値を表している部分をわれわれは剰余生産物と呼ぶ。
・剰余価値率が、資本の総額にたいする剰余価値の比率によってではなく、資本の可変的成分にたいする剰余価値の比率によって規定されるように、剰余生産物の高さは、総生産物の残余に対するそれの比率によってではなく、必要労働を表している生産物部分にたいする剰余生産物の比率によって形成される。
・剰余生産物の生産が資本主義的生産の規定的な目的であるように、生産物の絶対量によってではなく剰余生産物の相対量によって富の高さは計られるのである。

●「本文ではここで初めて剰余生産物という言葉が出てくる。後の箇所での利潤率についての叙述でも、まず率が出てきている」との発言がありました。

★剰余生産物とは、生産物のうち剰余価値を表している部分だとマルクスは定義している。使用価値としてではなく、価値の問題とされている。価値は、労働の対象化であり、価値の大きさは労働時間によって規定される。物(使用価値)の量が問題なのではない、問題なのは必要労働(時間)と剰余労働(時間)であり、その比率である。そういう意味では、ここでもまず率が取り上げられているといえる。

■マルクスコレクションでは《剰余生産物の高さ》は《剰余価値の大きさ》、《富の高さ》は《富のレベル》と訳されている。新日本出版社版では《剰余価値の水準》《富の高さ》となっている。

・必要労働と剰余労働との合計、すなわち労働者が自分の労働力の補填価値と剰余価値とを生産する時間の合計は、彼の労働時間の絶対的な大きさ――1労働日(working day)をなしている。

■労働日 ろうどうび working‐day∥workday∥Arbeitstag[ドイツ]

1 日 24 時間のうち,労働者が賃金を得るため雇用主に提供する労働時間のことで,必要労働時間と剰余労働時間の合計。労働者は労働による肉体的・精神的疲労を回復するため,睡眠をとり,食事し,休息をとり,さらに市民として慣習的・文化的欲求を満たさねばならない。そのための労働者に自由な時間は弾力的で短縮可能であり,とくに労働者間で雇用と賃金をめぐる競争が激しい場合は,それが労働者を長時間労働に駆りたて,疲労の回復を遅らせたり,極端な場合はその回復を不可能にさせる。それゆえ歴史上,労働組合は労働者間の競争を排除しつつ, 標準労働日の設定とその短縮を求めてきた。他方,資本主義の発展は機械化と生産の効率化を推し進め,労働力の効率的利用を図るようになったから,雇用主のほうも過度の長時間労働は避けさせるようになった。こうして 20 世紀になって,1919 年には ILO 国際条約で8 時間労働制が確立されたのである。

 なお,また日常用語としては,労働者が労働力を資本家に提供する日,法的には,労働契約上労働義務のある日をいう。 ⇒労働時間  大塚 忠  (世界大百科事典)
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by shihonron | 2010-03-30 23:30 | 学習会の報告


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