『資本論』を読む会の報告

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2010年 06月 01日

第190回 6月1日 第18章 時間賃金

6月1日(火)に第190回の学習会を行いました。
レジュメに基づいた報告を受け、「第18章 時間賃金」を検討しました。

以下は当日配布されたレジュメです。


第6篇 労賃 第18章 時間賃金                                 

 労賃そのものはきわめて多様な形態をとるが、ここでは二つの支配的な基本形態を簡単に展開する。
 労働力の販売は常に一定の時間を基準にして行われる。
 労働力の価格と剰余価値との大きさの変動に関する諸法則は簡単な形態変化によって労賃の諸法則に転化されるということである。
 労働者が受け取る貨幣額は、労働日の長さしだいで、同じ日賃金、週賃金などが、労働のきわめて異なる価格、すなわち同じ分量の労働に支払われるきわめて異なる貨幣額を表しうる。労働の平均的価格は、労働力の平均的価値を平均的労働日の時間数で除することによって得られる。労働力の日価値が6労働時間の価値生産物である三シリングで労働日が12時間だとすると
 一労働時間の価格=3シリング/12=3ペンス
である。
 この価格が、労働の価格の尺度として用いられる。
(労働の価格とは?)

・労働の価格が絶えず下落しても賃金は同じということもありうる。
一労働日が10時間、労働力の日価値が三シリングのとき、一労働時間の価格は33/5ペンス。(36/10)
一労働日が12時間に延長されると一労働時間の価格は3ペンスに低落。(36/12)15時間に延長されると22/5ペンスに低落する(36/15)が日賃金は変わらない。
・逆に労働の価格が不変かまたは下落しさえしても、日賃金や週賃金は騰貴することがありうる。
一労働日が10時間で、労働力の日価値が三シリングであれば、一労働時間の価格は33/5ペンスである。(36/10) 労働の価格が不変なままで12時間労働するなら、彼の日賃金は労働の価格の変動を伴わずに三シリング71/5ペンスに騰貴する。(36/10×12) 労働の外延的大きさの代わりに、労働の内包的大きさが増加する場合にも、これと同じ結果が生じるであろう。それゆえ、名目的な日賃金が騰貴しても、労働の価格の不変あるいは低落をともなうことがありうる。労働者家族の収入についても、家長によって提供される分量に家族員の労働が付け加わると同じ事が言える。→
 名目的な賃金の引き下げとはかかわりのない、労働の価格切り下げの諸方法が存在する。

 一般的法則――日労働、週労働の量が与えられていれば日賃金または週賃金は、労働の価格によって決まるのであり、労働の価格そのものは、労働力の価値とともに変動するか、さもなければ労働力の価値からの価格の背離とともに変動する。これに反して、労働の価格が与えられているならば、日賃金または週賃金は、日労働または週労働の量によって決まる。
 一労働時間の価格は3ペンス→6労働時間=1シリング半。(3×6=18 18÷12=1.5)以前は過度労働の破滅的諸結果を見たが、ここでは、過少就業から労働者に生じる苦しみの源泉を発見する。
 もし資本家が日賃金または週賃金を支払う義務がなく、自分の好きなだけ労働者を就業させてその労働時間にたいしてのみ支払う義務を負う、という仕方で時間賃金が確定されるなら、資本家は、もともと時間賃金または労働の価格の度量単位の計算の基礎になっている時間より少なく、労働者を就業させることができる。→
 支払労働と不払労働とのあいだの連関は廃棄され、資本家は自己の都合、恣意、および眼前の利益に従って、法外この上ない過度労働と相対的または全部的失業とを、かわるがわる生じさせることができる。

 日賃金または週賃金が増大しても、労働の価格は、名目的には不変でありながら、しかもなおその標準的水準以下に下落しうる。このようなことは、労働―または一労働時間―の価格が不変で、労働日が通例の長さ以上に延長されるときにはいつも起こる。
    労働力の日価値/労働日 
という分数においては、分母が増大すれば、分子はさらに急速に増大する。
→それゆえ、労働時間の法律的制限がなくて、時間賃金が支配的である多くの産業部門では、労働日は、ある一定の時点まで―たとえば10時間の終了まで―でありさえすれば標準的なものとみなされる習慣が自然発生的につくりあげられた。
 一産業部門における労働日が長ければ長いほど、労賃はそれだけ低いということは、周知の事実である。例―10時間労働法のもとにおかれた工場では上昇したが、一日に14~15時間働かされている工場では、下落した。
 まず、「労働の価格が与えられている場合には、日賃金または週賃金は、提供される労働の量によって決まる」という法則からは、労働の価格が低ければ低いほど、労働者がみじめな平均賃金だけでも確保するためには、労働分量はそれだけ大きくならなければならない。→労働の価格の低いことが、労働時間の延長への誘因として作用する。
 逆に、労働時間の延長そのものがまた、労働価格の低落、したがって日賃金、週賃金 の低落を生み出す。
 労働力の日価値/与えられた時間数の労働日 
による労働価格の規定は、もしなんらの補償も行われなければ、労働日の単なる延長は、労働価格を低下させるという結果を生む。資本家にそれを余儀なくさせる事情を二つ。
・もし一人が一人半または二人分の仕事をするならば、市場にある労働力の供給が不変であっても、労働の供給は増大する。労働者のあいだに引き起こされる競争が、資本家に、労働の価格を切り下げることを可能にするのであり、他方では、この労働の価格の低落が、資本家に、労働時間をさらにいっそう引き延ばすことを、可能にする。→資本家間の競争。
・競争が強制する第二歩は、労働日の延長によって生み出される異常な剰余価値の少なくとも一部分を、同じように商品の販売価格から除外することである。→低い販売価格が過度な労働時間のもとでのみじめな労賃の、恒常的基礎となる。
 資本家は言う。
「競争がきわめて激しいので恥とするようなことも雇い主としてしなければならない。しかも金はもうからず、公衆だけが利益を得ている」
 ロンドンの二種類の製パン業者の例。一方は、パンを正常価格で売り、他方は正常価格以下で売る。前者は競争者たちを告発する。
「彼らが存続しているのは第一に公衆を欺くことによって(商品の不純物混和によって)、第二に、彼らの職人から12時間労働の賃金で18時間の労働をしぼりだすことによって、である。・・・労働者が超過時間にたいする支払いを主張できるようなことになれば、この策略もだめになるであろうが。・・・この安売り業者によって働かされている者の大部分は、もらえるならほとんどどんな労賃ででもがまんせざるをえない外国人、若者その他である」

 このような嘆きは、資本家の頭脳のなかにはいかに生産諸関係の外観しか反映しないかを示している。剰余労働時間というカテゴリーは、一般に資本家にとっては実存しない。というのは、彼が日賃金で支払っていると信じている標準労働日のうちにこのカテゴリーが含まれているからである。 超過時間のなかにも、この不払労働は含まれている。
 12労働時間のうちの一時間の価格は、3ペンスであり、他方、超過の一労働時間の価格は、4ペンスであるとすると、はじめの場合には資本家は一労働時間の半分を、あとの場合にはその1/3を、支払いもせずにわがものにする。

・労働の価格とは? 
・労働者家族の収入。労働の外延的大きさ、内包的大きさとの関連。
・労働力の日価値/労働日 という分数において分母が増大すると分子はさらに急速に増大するという内容は?
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by shihonron | 2010-06-01 23:30 | 学習会の報告


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