『資本論』を読む会の報告

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2011年 04月 26日

第220回 4月26日 第2章 生産資本の循環

4月26日(火)に第220回の学習会を行いました。
「第2章 生産資本の循環」についてレジュメに基づく報告を受け検討しました。

以下はレジュメです。

    第二章 生産資本の循環
    第一節 単純再生産

29W'-G'-Wは,その形態から見れば,W'にとってのみ,その再生産の契機である流通行為を含む。 しかし,W'-G'-Wが行なわれるためには,W'が転換されるWの現実の再生産が必要である。 しかしこの再生産は,W'に表わされる個別資本の再生産過程の外部にある多くの再生産過程によ って制約されている。 ----
30形態Ⅰでは,G-W<A Pmは,貨幣資本から生産資本への第一の転化を準備するだけであるが, 形態Ⅱでは商品資本から生産資本への再転化を準備する。それゆえG-W<A Pmは,形態Ⅱで も,形態Ⅰとで同様に,生産過程の準備局面として現われるが,しかしⅡでは,生産過程への復帰, 生産過程の更新として,それゆえ再生産過程の先行段階として,したがってまた価値増殖過程の反 復の先行段階として,現われる。
31G-Aは単純な商品交換ではなく,剰余価値の生産に役立つべき一商品Aの購買であり,G-Pm はこの目的を遂行するために素材的に不可欠な手続きでしかない。
32G-W<A Pmの達成と同時に,Gは生産資本に再転化されており,新たに循環が開始される。
33 P…W'-G'-W…Pの明細な形態は
   +W+ ---+G+-- W +A 
 P-- W'|+|--G'|+|    +Pm --P
        +w+ ---+g+-- w                      
34貨幣資本の生産資本への転化は,商品生産のための商品購買である。消費は,生産的消費である限 りでのみ,資本そのものの循環にはいる。生産的消費の条件は,消費される諸商品を媒介として剰 余価値がつくられるということである。これは,生産者の生存を目的とする生産とは,非常に異な る。剰余価値生産によって条件づけられた,商品による商品の置き換えは,生産物交換(貨幣によ って媒介されるだけの)自体の場合とはまったく別物である。
・だが,この事態は経済学者たちにより,〔両者を同一視することによって〕過剰生産というものが ありえないということの証拠にされている。
35AおよびPmに転化されるGの生産的消費の他に,この〔資本〕循環は,G-Aという第一の環を 内含しており,この環は労働者にとってはA-G=W-Gである。労働者の消費を含む労働者の 流通A-G-Wのうちでは,第一の環だけがG-Aの結果として資本の循環に入る。第二の行為 すなわちG-Wは,個別資本の流通から生じてくるのではあるが,個別資本の流通には入らない。 しかし,労働者階級の持続的な定在は資本家階級にとって必要であり,それゆえG-Wに媒介され る労働者の消費もまた必要である。
36W'-G'という行為は,資本価値の循環の継続のために,また資本家による剰余価値の消費のため に,W'が貨幣に転化され,販売された,ということだけを想定する。W'が購買されるのは,生産的 または個人的な何らかの種類の消費に役立つからに他ならない。

・しかし,W'が,たとえば糸を買った商人の手中にあってさらに流通するとしても,そのことはこの 糸を生産して商人に売った個別資本の循環の継続には,少しも関係はない。全過程はその進行を 続け,またそれと共に,その進行によって条件づけられる資本家および労働者の個人的消費も進行 を続ける。〔これは〕恐慌の考察に際して重要な一点。
37W'は,販売され,貨幣に転化されしだい,労働過程の,それゆえまた再生産過程の,現実に諸要因に 再転化されうる。
・W'が最終消費者によって購買されているか,それとも商人によって購買されているかは,直接に は事態をなんら変えない。資本主義的生産によってつくり出される商品総量の広がりは,この生 産の規模とこの規模の不断の拡大への欲求とによって規定されるのであり,需要と供給とによっ て規定されるのではない。大量生産は,その直接の買い手としては,他の産業資本家たちの他には, 卸売商人しかもちえない。再生産過程は,そこで産出された商品が現実に個人的または生産的消 費に入り込んでいなくても,ある限界内では同じ規模または拡大された規模で進行しうる。商品 の消費は,その商品を生み出した資本の循環には含まれていない。生産物が販売される限り,資本 主義的生産者の立場から見れば万事は規則正しく進行する。もしこの循環過程が拡大されている ならば(それは生産諸手段の生産的消費の拡大を含む)資本のこの再生産は,労働者の個人的消 費(したがって需要) の拡大を伴うことがありうる。
・このようにして,剰余価値の生産,それと共に資本家の個人的消費もまた増大し,再生産過程全体 は繁栄を極めた状態にありうるが,それにもかかわらず,諸商品の一大部分は外観上消費に入って いるにすぎず,現実には売れずに転売人たちの手中に滞積し,したがって実際にまだ市場にある, ということがありうる。商品の流れが続いて行くうちに,ついには前の流れは外観上消費によっ てのみ込まれているにすぎないということが明らかになる。
・諸商品資本が市場で互いに席を争奪し合う。あとから来た者は,売るために価格を下げて売る。 前のもろもろの流れがまだ現金化されていないのに,その支払期限が到来する。それらの持ち主 たちは,支払不能を宣言せざるを得ないか,または支払いをするためにどんな価格ででも売らざる を得ない。この販売は,需要の現実の状態とはまったくなんの関係もない。それは,ただ,支払を 求める需要,商品を貨幣に転化する絶対的必要と,関係があるだけである。その時に,恐慌が勃発 する。恐慌が目に見えるようになるのは,個人的消費需要の,直接の減少によってではなく,資本 と資本との交換の減退,資本の再生産過程の,縮小によってである。---- 
38貨幣資本として,生産資本への再転化を予定された資本価値として,Gは,その機能を果たすため に商品PmおよびAに転換される。もしG-Wが次々に行なわれる一連の購買または支払いを表 わすとすれば,Gの一部分はG-Wという行為を達成するが,他の一部分は貨幣状態に留まってい る。この部分は,流通から引き上げられている。その場合には,この貯蔵は,それ自体,この部分の 流通によって規定され,流通に予定された一機能である。その場合には,購買元本および支払元本 としてのこの部分の定在,この部分の運動の一時停止,この部分の流通中断の状態は,貨幣が貨幣 資本としての貨幣の諸機能の一つを果たしている状態である。貨幣資本として,というのは,この 場合にはしばらくのあいだ休止している貨幣そのものは,貨幣資本G(G'-g=G) の一部分だ からである。他方,流通から引き上げられた貨幣はすべて蓄蔵貨幣形態にある。ここでは,貨幣の 蓄蔵貨幣形態が貨幣資本の機能になるのであり(G-Wで購買手段または支払手段としての貨幣 の機能が貨幣資本の機能になるのとまったく同様に),しかも,そうなるのは,資本価値がここで は貨幣形態で存在するからであり,ここでは貨幣状態は,産業資本がその諸段階の一つにおいて, 循環の連関によって規定されている状態だからである。
・しかし,同時にここで再び,貨幣資本は産業資本の循環の内部では貨幣機能以外の機能を果たすも のではなく,そして,この貨幣機能は,この循環の他の諸段階とのその連関によってのみ,同時に資 本機能の意義をもつ,ということが実証される。
39G'を,Gに対するgの関係(資本関係)として,表わすことは,直接には貨幣資本の機能ではなく, 商品資本W'の機能であり,そしてこのW'そのものもこれまたwとWとの関係としてはただ生産 過程の結果を,すなわちこの過程で行なわれた資本価値の自己増殖の結果を,表現するだけである。

40流通過程の進行が障害にぶつかり,その結果Gが市場の状況などの外部の事情によってその機能 G-Wを一時停止せざるを得なくなり,そのために長かれ短かれその貨幣状態に留まるとすれば, これもまた貨幣の蓄蔵貨幣状態であり,この状態は単純な商品流通においても,W-GのG-Wへ の移行が外部の事情によって中断されるとすぐに現われる。
・それは,非自発的な蓄蔵貨幣形成である。われわれの場合には,貨幣はこのようにして遊休的潜在 的な貨幣資本の形態をとる。しかし,われわれは,さしあたりこの点にはこれ以上立ち入らない。
41しかし,この双方の場合とも,貨幣状態での貨幣資本の停滞は,運動の中断(それが合目的的なも のであろうと,自発的なものであろうと非自発的なものであろうと,機能的なものであろうと反機 能的なものであろうと)の結果として現われる。

    第二節 蓄積,および拡大された規模での再生産
①生産過程が拡大しうるための諸比率は,恣意的なものではなく,技術的に規定されているのである から,実現された剰余価値は,たとえ資本化するように予定されていても,しばしば幾つもの循環 の反復によってはじめて,現実に追加資本として機能しうる大きさ,すなわち過程進行中の資本価 値の循環に入り込みうる大きさに成長することができる(したがってその大きさになるまで積み 立てられなければならない) 。したがって,剰余価値は凝結して蓄蔵貨幣となり,この形態で潜在 的貨幣資本を形成する。潜在的latentというのは,この資本が貨幣状態に留まっているあいだは 資本として働く資本を形成することができないからである。
・このようにここでは蓄蔵貨幣の形成は,資本主義的蓄積過程の内部に含まれてこの過程に随伴し てはいるが同時にこの過程とは本質的に区別される一契機として現われる。というのは,潜在的 貨幣資本の形成によっては,再生産過程そのものは拡大されないからである。その逆である。潜 在的貨幣資本がここで形成されるのは,資本主義的生産者は自己の生産の規模を直接には拡大し 得ないからである。
・もし彼が自己の剰余生産物を,新たな金もしくは銀を流通に投げ入れる金生産者もしくは銀生産 者に販売するならば,または国内の剰余生産物の一部分と交換に追加の金もしくは銀を外国から 輸入する商人に販売するならば,彼の潜在的貨幣資本は,国内の金財宝または銀財宝の増分を形成 する。そのほかのすべての場合には,たとえば買い手の手中で流通手段であった£78が資本家の 手中で蓄蔵貨幣形態をとっただけである。すなわち,国内の金財宝または銀財宝の配分が変わっ ただけである。

②資本家の取り引きで貨幣が支払手段として機能するとすれば,資本化するように予定されている 剰余生産物は,貨幣には転化されず,債権に転化される。その貨幣は,利子生み証券などに投下さ れた貨幣と同様に,循環の再生産過程には入り込まない(他の個別産業資本の循環に入り込むこ とはできる)のである。
③資本主義的生産の全性格は,前貸資本価値の価値増殖によって,すなわち
 第一にできるだけ多くの剰余価値の生産によって,規定されている。
 第二には 資本の生産によって,すなわち剰余価値の資本への転化によって,規定されている(第 一部,第二二章)。
・さらに,蓄積,または拡大された規模での生産(それは,不断に拡張される剰余価値の生産のため の,それゆえ資本家の致富のための手段として,資本家の個人的目的として,現われ,資本主義的生 産の一般的傾向のうちに含まれている)は,自己の発展を通じて個々の各資本家にとっての必然 事になる。彼の資本の不断の増大は,彼の資本の維持の条件となる。
④われわれは単純再生産を考察したが,現実には,正常な事情のもとでは常に剰余価値の一部分は収 入として支出されなければならず,他の部分は資本化されていなければならない。けれども定式 を複雑にしないためには,剰余価値が全部蓄積されると仮定する。
・P…W'-G'-W'<A Pm…P'という定式は,生産資本がより大きい規模でより大きい価値を もって再生産され,増大した生産資本としてその第二循環を開始(第一循環を更新)するという ことを表現する。
・この第二循環が始まるときには,再びPが出発点として現れる。このPは第一のPの時よりも大 きい生産資本である。それと同様に,定式G…G'において第二循環がG'で始まる場合,G'は,G として,一定の大きさの前貸貨幣資本として,機能する。G'は,第一循環が開始されたときの貨幣 資本よりも大きい貨幣資本ではあるが,それが前貸貨幣資本の機能において登場するやいなや,そ れが剰余価値の資本化によって増大していることとの関連はすべて消えうせている。この起源は, その循環を開始する貨幣資本としてのそれ〔G'〕の形態では,消滅している。P'の場合も,それ が新たな循環の出発点として機能する場合には,同じことである。
⑤P…P'を,G…G'と比較するならば,この二つは決して同じ意義をもってはいない。
・G…G'は,単独な循環としてそれだけを取り上げてみれば,貨幣資本Gは,貨幣を生む貨幣,価値 を生む価値であり,剰余価値を措定する,ということを表現するだけである。
・Pの循環では,価値増殖過程そのものは,第一段階の終了,生産過程の終了と共にすでに達成され ており,第二段階(第一の流通段階) W'-G'の経過後には,資本価値プラス剰余価値は,実現さ れた貨幣資本として,第一の循環で最後の極として現われたG'として,すでに存在する。
・剰余価値が生産されたということは,はじめに考察されたP-Pの形態では ,その第二段階で資 本流通の外に抜け落ち,収入としての剰余価値の流通を表わすw-g-wによって示されている。・このように,全運動がP…Pで現われ,したがって両極点のあいだに価値差が生じないこの形態に おいても,前貸価値の増殖,剰余価値の産出が,G…G'においてと同様に表わされている。ただ, W'-G'という行為が,G…G'においては最後の段階として現われ,P…Pにおいては循環の第 二段階,流通の第一段階として現われるだけである。
⑥P…P'においてP'が表わすのは,生産された剰余価値が資本化され,したがって資本が蓄積され たということであり,最初の資本価値プラスその運動によって蓄積された資本の価値から成って いるということ。
⑦G-G'の単なる終点としてのG'も,これらの循環のどれのなかにも現われるW'も,それ自体と して見れば,運動を表現するのではなく,運動の結果を表現する。すなわち,商品形態または貨幣 形態に実現された,資本価値の増殖を,それゆえG+gまたはW+wとしての,自己の生みの子で ある剰余価値に対する資本価値の関係としての,資本価値を,表現する。このG'およびW'は,こ の結果を,増殖された資本価値の別々な流通形態として表現する。しかし,W'の形態においても, G'の形態においても,行なわれた価値増殖そのものは,貨幣資本の機能でもなければ商品資本の 機能でもない。産業資本の特殊な諸機能に対応する別々の特殊な形態,定在様式として,貨幣資本 は貨幣機能だけを,商品資本は商品機能だけを果たしうるのであり,それら相互の区別はただ貨幣 と商品との区別でしかない。
・同様に,産業資本は,生産資本としての形態においては,生産諸手段と労働力から成っている。産 業資本が,生産部面のなかでは,生産過程一般に適合する構成,したがってまた資本主義的でない 生産過程にも適合する構成においてのみ存在しうるのと同様に,それは,流通部面では,商品と貨 幣というこの部面に適合する両形態でのみ存在しうる。
・≪労働力が他人の労働力であって,資本家は自己の生産諸手段を他の商品保有者から買ったのと まったく同様に,この労働力も労働力の保有者から買ったということによって≫,生産諸要素の 総体は自らが生産資本であると最初から予告しており(告示する,明示している,名のってい  る),したがって生産過程そのものも産業資本の生産的機能として登場するのであって,これと 同様に,貨幣と商品も,同じ産業資本の流通諸形態として登場し,したがってまた貨幣と商品との 機能も,産業資本の流通機能として,すなわち生産資本の諸機能を準備するかまたは生産資本の 機能から生じる流通機能として現われる。ここでは貨幣機能と商品機能とは,産業資本がその循 環過程の異なる諸段階で果たさなければならない機能形態としての両者の関連によって,貨幣資 本の機能であり,また商品資本の機能である。
・貨幣を貨幣として特徴づけ,商品を商品として特徴づける独自な諸属性と諸機能とを,貨幣と商 品との資本性格から導き出そうとするのは間違いであり,逆に,生産資本の諸属性を生産諸手段と してのそれの存在様式から引き出すのもやはり間違いである。

⑧G'またはW'が,G+gまたはW+wとして,すなわち資本価値とその子としての剰余価値との関 係として,固定されるならば,この関係は両方の形態で,すなわちある時は貨幣形態で,他の時は  商品形態で,表現されている。この関係は,貨幣そのものに属する諸属性と諸機能からも,商品そ のものに属する諸属性と諸機能からも生じはしない。どちらの場合にも,価値を生む価値である という資本を特徴づける属性は,結果として表現されているだけ。W'は常にPの機能の産物で  あり,また,G'は常に産業資本の循環中にW'が転化された形態でしかない。
・それゆえ,実現された貨幣資本は,それが再び貨幣資本としてのその特殊な機能を開始するやいな や,G'=G+gに含まれる資本関係を表現することをやめる。G…G'を経過してG'が新たに循 環を開始するときには,それはG'のではなくGの役を演じるのであり,G'に含まれている剰余価 値が全部資本化される場合でもそうである。例では,第二循環は,第一循環のように£422ででは なく,£500の貨幣資本で始まる。循環を開始する貨幣資本は,前回よりも£78だけ大きい。この 区別は,一方の循環と他方の循環とを比較するときに存在する。しかし,この比較は,個々の各循 環の内部には存在しない。貨幣資本として前貸しされる£500(そのうち£78は,以前は剰余価値 として存在した)は,他の資本家がその第一循環を開始するのに用いる£500と少しも違った役割 を演じるものではない。生産資本の循環においても同様である。大きさを増したP'は,再開始に 際してはPとして登場するのであり,いわば単純再生産P…PでのPに等しい。

⑨G'-W'<A Pmの段階では,増大した大きさはW'によってのみ示され,A'とPm'によっては 示されていない。WはAとPmとの合計であるから,W'に内含されているAとPmとの合計が最初 のPよりも大きいことは,すでにW'によって示されている。しかし,第二に,A'とPm'という記 号は誤り。資本の増大には資本の価値構成の変化が結びついており,この変化の進行につれてPm の価値は増大し,Aの価値は常に総体的に減少し,しばしば絶対的にも減少するからである。
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by shihonron | 2011-04-26 23:00 | 学習会の報告


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