『資本論』を読む会の報告

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2011年 05月 10日

第221回 5月10日 第2章 生産資本の循環

5月10日(火)に第221回の学習会を行いました。

「第2章 生産資本の循環」についてレジュメに基づく報告を受け検討しました。
また「第3章 商品資本の循環」の第1段落から第8段落までを輪読して検討しました。

以下はレジュメです

    第二章 生産資本の循環
    第三節 貨幣蓄積
①剰余価値gが,資本Gと一緒にG'という大きさで循環過程に入り込むことができるかどうかは, gの単なる現存とは無関係な諸事情にかかっている。
・gが,最初の事業とならんで投下される第二の自立的事業で貨幣資本として役立つはずのもので あるなら,gは,それがそのような事業に必要とされる最小限の大きさをもっている場合にのみ, これに充用されうる。
・gがもとの事業の拡張に用いられるものとしても,Pの素材的諸要因のあいだの諸関係とそれら の価値諸関係とが,やはり,gに一定の最小限の大きさであることを条件づける。この事業で作動 するすべての生産諸手段は,互いに質的な関係をもつだけでなく,互いに一定の量的な関係,比例 的な大きさをももつ。生産資本に入り込む諸要因のこの素材的な割合と,それらによって担われ る価値の割合とは,gが生産資本の増加分として,追加生産諸手段と追加労働力とに,または追加 生産諸手段だけに,転換されうるためにもたなければならない最小限の大きさを規定する。gが この最小限の大きさをもたないあいだは,資本の循環は何度も反復されなければならない。
・その間の時期にはgが積み立てられ,そしてgの積立は,g自身の機能ではなく,反復されるP… Pの結果である。g自身の機能はgが,貨幣状態に留まり続けることである。その間の時期には, gは積み立てられて,形成過程にある増大中の蓄蔵貨幣の形態で存在するだけである。
・ここでは貨幣蓄積,蓄蔵貨幣形成は,現実の蓄積に,産業資本が作用する規模の拡張に,一時的にと もなう過程として現われてくる。一時的というのは,蓄蔵貨幣がその蓄蔵貨幣状態に留まってい るあいだは,それは,資本として機能せず,価値増殖過程に参加せず,ある貨幣額に留まるからであ って,この貨幣額は,この貨幣額とは関係なく現存する貨幣が同じ金庫に投げ入れられるために, 増大するにすぎない。




②蓄蔵貨幣の形態は,流通の中にない貨幣の形態,流通を中断されておりそれゆえ貨幣形態で保存さ れる貨幣の形態でしかない。
・蓄蔵貨幣を形成する過程そのものについて言えば,それはすべての商品生産に共通であり,商品生 産の未発展な全資本主義的諸形態においてのみそれは自己目的として一つの役割を演じる。
・ここでは蓄蔵貨幣が貨幣資本の形態として現われ,また蓄蔵貨幣の形成が資本の蓄積に一時的に ともなう過程として現われるのであるが,それは,貨幣がここでは潜在的貨幣資本の役を演じる からであり,またそれを演じる限りでのこと。また,貨幣蓄蔵(貨幣形態で存在する剰余価値の 貨幣状態)は,剰余価値が現実に機能する資本に転化するために,資本の循環の外で行なわれる機 能的に規定された準備段階だからである。すなわち,蓄蔵貨幣はこのようなその規定によって潜 在的貨幣資本なのであり,それゆえまた,それが過程に入るために到達していなければならない大 きさも,生産資本のその時々の価値構成によって規定されている。しかし,貨幣が蓄蔵貨幣状態に ある限り,それはまだ貨幣資本として機能せず,まだ遊休している貨幣資本である。その機能を中 断されているのではなく,まだその機能を果たす能力のない貨幣資本である。
③われわれがここで取り上げているのは,本来の実在的形態での貨幣積み立てであり,現実の蓄蔵 貨幣としてのそれである。
・貨幣積み立ては,W'を販売した資本家の単なる売掛金,債権の形態でも存在しうる。そのほかに も,潜在的貨幣資本は,たとえば銀行にある利子付き預金や手形や何らかの種類の有価証券とい うような貨幣を生む貨幣の姿でも存在するのであるが,ここで論究すべきことではない。この場 合には,貨幣に実現された剰余価値は,それを生じさせた産業資本の循環の外部で特殊な資本諸機 能を果たす。これらの機能は,第一に,あの循環そのものとはなんの関係もないのであり,また第 二に,産業資本の諸機能とは異なる資本諸機能を想定しているのであって,その資本諸機能はここ ではまだ展開されていない。

    第四節 準備金
①剰余価値の存在形態としての蓄蔵貨幣は,貨幣蓄積財源であり,資本蓄積が一時的にとる貨幣形態 であって,その限りではそれ自身資本蓄積の条件でもある。
・この蓄積財源は,特殊な副次的な役立ちをすることもできる。すなわち,資本の循環過程に(これ が拡大再生産P…P'という形態をとらなくても),入ることができる。
②もし過程W'-G'が正常な限度を越えて延びるならば,蓄積財源として機能している蓄蔵貨幣を 用いてそれに貨幣資本またはその一部分の代わりをさせることができる。このようにして,貨幣 蓄積財源は,循環の攪乱を調整するための準備金として役立つのである。
③このような準備金としての蓄積財源は,循環P…Pで考察された購買・支払手段の財源とは違う ものである。購買・支払手段は,機能している貨幣資本の一部分(したがって過程に入っている 資本価値一般の一部分の存在形態) であって,ただ,この貨幣資本の諸部分が別々の時期に次々に 機能を始めて行くだけである。生産過程が続いているあいだは絶えず準備貨幣資本が形成される。 この中間の期間にはいつでも流通中の資本の一部分は貨幣形態で存在しているのである。
・これに反して,準備金は,機能している資本(貨幣資本)の,一成分ではなく,蓄積される前の段階 にある資本の,まだ能動的な資本に転化していない剰余価値の,一成分である。
④貨幣蓄積財源はすでに潜在的な貨幣資本の存在である。すなわち,貨幣の貨幣資本への転化であ る。
⑤単純再生産と拡大された規模での再生産とを包括する生産資本の循環の一般的な定式は,次のよ うになる。
  1 2
P…W'-G'・G-W<A Pm…P(P')
⑥P=Pならば,2のGはG'・マイナスgに等しい。P=P'ならば,2のGはG'・マイナス・gよ りも大きい。すなわち,gの全部か一部分が貨幣資本に転化しているわけである。
⑦生産資本の循環は,古典派経済学が産業資本の循環過程を考察する際に用いている形態である。
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by shihonron | 2011-05-10 23:00 | 学習会の報告


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