2006年 01月 17日
1月11日(水)に『資本論』を読む会@所沢 第2期 第6回の学習会を行いました。「第4版へ」および「第1章商品 第1節 商品の二つの要因 使用価値と価値(価値実体 価値量)」の最初から第6段落までを輪読、検討しました。 ■「第4版へ」について 特に大きな議論はありませんでした。マルクスの引用に対する「マルクスはこの文章を形式的にも実質的にも偽造してつけ加えたのだ!」という非難が行われましたが、それに対して根拠をあげて反論された経過が明らかにされています。マルクスの信用を傷つけようという試みは破綻しました。同様な中傷は、現在でも教科書問題やNHK番組改変問題などにおいても行われているという意見が出されました。 ■「第1節 商品の二つの要因 使用価値と価値 (価値実体 価値量)」につ いて 第1段落 資本主義的生産様式が支配的に行われている社会の富は、一つの「巨大な商品の集まり)」として現れる。一つ一つの商品は、その富の基本形態として現れる。それゆえ、われわれの研究は、商品の分析から始まる。 ●さしあたり「資本主義的生産様式」をどのようにとられておけばいいのか。それはいったいどんなものか? 資本主義社会は、現在我々が生きている社会であること、いくつかの特徴があげられ議論になりました。出された特徴は「大量生産」「貧富の差が激しい」「あらゆるものが商品になる」「冨が増える」などでした。「貧富の差が激しいのは資本主義に限らないのではないか」との反論も出され、さしあたりは「資本家が労働者を雇って行う生産」ととらえておけば良いのではないかということになりました。 ●なぜ「資本主義的生産様式が支配的に行われている社会」という言い方がされているのか? 一般に「資本主義社会」と呼ばれている社会では、すべての生産が資本主義的生産様式でなされているわけではない。生産の根幹、大部分は資本主義的生産様式であっても、たとえば自作農や家族だけで経営されている事業所なども存在するからだろうということになりました。 ●「冨」とは何か? 「人間の欲求を満たすもの」「財のこと」などの意見が出されました。 ●注一【 カール・マルクス『経済学批判』、ベルリン、一八五九年、3ページ〔『全集』、第13巻、13ページ〕。】で指示されている箇所の叙述は? 「一見したところでは、ブルジョア的富は一つの巨大な商品の集まりとして現われ、一つ一つの商品はその富の基本的定在として現われる。ところがそれぞれの商品は、使用価値と交換価値という二重の観点のもとに自己をあらわしている。」 (国民文庫『経済学批判』23頁) ■第2段落について ●ここでは商品は「まず第一に、外的対象であり、その諸属性によって人間のなんらかの種類の欲望を満足させる物である」と述べられている。ここで分析される商品は、「外的対象」「物」であることに注意しておこう。 ●「受用」とは? 言葉の意味としては「うけいれて、もちいること」。「受用の対象」とは「消費の対象」ということだろう。
by shihonron
| 2006-01-17 09:12
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