『資本論』を読む会の報告

shihonron.exblog.jp
ブログトップ
2007年 02月 17日

第47回  2月6日  第3章 貨幣または商品流通 第2節 流通手段 b 貨幣の流通

2月6日(火)に第47回の学習会を行いました。「読む会通信」№236を使って前回の復習をした後、「第3章 貨幣または商品流通 第2節 流通手段 b 貨幣の流通」の第11段落から最後(第16段落)までを輪読、検討しました。

■テキストの内容と議論    
第3章 貨幣または商品流通 第2節 流通手段 b 貨幣の流通 


第11段落
・要するに、それぞれの期間に流通手段として機能する貨幣の総量は、一方では、流通する商品の価格総額によって、他方では、の商品世界の対立的な流通過程緩急によって、規定されているのである。
・そして、この価格総額の何分の一が同じ貨幣片によって実現されうるかは、この流れの緩急によって定まるのである。
・また、諸商品の価格総額は、各商品種類の量と価格との両方によって定まる。
・ところが、この三つの要因、つまり価格の運動と流通商品量とそして最後に貨幣の流通速度とは、違った方向に、違った内容で変動することができる。
・したがって、実現されるべき価格総額も、したがってそれによって制約される流通手段の量も、非常に多くの組み合わせの結果でありうるのである。
・ここではただ、商品価格の歴史上最も重要なものだけをあげておこう。

●「商品世界の対立的な流通過程の緩急」と述べられているが、なにが対立的ということなのだろうかという疑問が出され、W―G(売り)とG―W(買い)が対立的ということではないかという意見が出されました。

第12段落
・商品価格が変わらない場合には、流通手段の量が増大しうるのは、流通商品量が増加するかであるか、または貨幣の流通速度が下がるかであるか、または両方がいっしょに作用するからである。
・逆に、流通手段の量は、商品量または流通速度の増大につれて減少することがありうる。

第13段落
・商品価格が一般的に上がっても、流通手段の量が不変でありうるのは、商品価格が上がるのと同じ割合で流通商品量が減少する場合か、または流通商品量は変わらないが、価格の上昇と同じ速さで貨幣の流通速度が増す場合かである。
・量通手段の量が減少しうるのは、商品量が価格上昇よりも速く減少するか、または流通手段が価格のじょうしょうよりも速く増すからである。

第14段落
・商品価格が一般的に下がっても、流通手段の量が不変のままでありうるのは、商品価格が下がるのと同じ割合で商品量が増大するか、または価格が下がるのと同じ割合で貨幣の流通速度が落ちる場合である。
・流通手段の量が増大しうるのは、商品価格が下がるのよりももつと速く商品量が増大するか、または商品価格が下がるのよりももっと速く流通速度が落ちる場合である。

第15段落
・いろいろな要因の変動が互いに相殺されて、これらの要因の絶え間ない不安定にもかかわらず、実現されるべき商品価格の総額が変わらず、したがってまた流通貨幣量も変わらないことがありうる。
・それゆえ、いくらか長い期間を考察すれば、外観から予想されるよりもずっと不変的な、それぞれの国で流通する貨幣量の平均水準が見いだされるのであり、また周期的に生産恐慌や商業恐慌から生ずる、またもっとまれには貨幣価値そのものから生ずるひどい混乱を別とすれば、外観から予想されるよりもずっとわずかな、この平均水準からの偏差が見いだされるのである。

●「ここでは、《いくらか長い期間を考察すれば、外観から予想されるよりもずっと不変的な、それぞれの国で流通する貨幣量の平均水準が見いだされる》ことを確認しておくことが大切だ」との意見が出されました。

■ [自由主義段階の典型的恐慌]
 産業革命を経て,イギリス資本主義が綿工業を中心に世界の工場の位置につき,自由主義段階の成長期に入ると,恐慌現象も周期的恐慌として典型的様相をおびる。すなわち,イギリスには 1825 年,36 年, 47 年,57 年,66 年とほぼ 10 年の規則的な周期性をもって恐慌が反復され,それぞれの恐慌は一様に,ある期間にわたる好況とその末期の投機的発展の崩壊として現れ,その後またある期間にわたる不況を経て好況が再現する周期的な景気循環の一局面をなしていた。その発生過程では,イギリス綿工業の過剰な資本蓄積が,原料綿花や労賃の騰貴を招いて行き詰まるとともに,投機的な商取引が信用を大規模に利用してすすめられ,やがて貨幣市場の答迫 (ひつぱく) を介して崩壊が始まるのが常であった。そのさい,投機取引の破綻に始まる商業恐慌commercial crisis と,それに伴う商業手形流通の麻痺,支払不能の連鎖の拡大を伴う信用恐慌credit crisis ないし金融恐慌financial crisis,およびそれらを通ずる産業恐慌industrial crisis による生産の収縮と失業の急増の 3 面が相互媒介的に進行し,全面的激発性を示すところに,典型的恐慌現象のもうひとつの特徴があった。さらにイギリスの恐慌は,イギリスを中心に編成されていた当時の世界市場編成のなかで,かならず世界市場恐慌として現れ,内外にわたりイギリス産業資本の蓄積条件を再調整する契機となっていた。
(伊藤 誠  世界大百科事典)

第16段落
・流通手段の量は、流通する商品の価格総額と貨幣流通の平均速度とによって規定されているという法則は、次のようにも表現することができる。
・すなわち、諸商品の価値総額とその変態の平均速度が与えられていれば、流通する貨幣または貨幣材料の量は、それ自身の価値によつて定まる、と。
・これとは逆に商品価格は流通手段の量によって規定され、流通手段の量はまた一国に存在する貨幣材料の量によって規定されるという幻想は、その最初の代表者たちにあっては、商品は価格をもたずに流通過程にはいり、また貨幣は価値をもたずに流通過程にはいってきて、そこで雑多な商品群の一可除部分と金属の山の一可除部分とが交換されるのだ、というばかげた仮説に根ざしているのである。

★ここで「諸商品の価値総額」という表現がなされている。マルクスにあっては、まず商品は価値をもっており、その価値は貨幣商品の一定量として表現される、それが価格である。したがつて、商品の価格は、商品自身の価値は不変でも、貨幣商品の価値の変動によっても変わるというのである。

●「それ自身の価値」とは、何の価値かとの疑問が出され、貨幣材料の価値のことであることが確認されました。

●注78に関連して、1ファージングは、1/4ペニー(ペンス)のことであることが説明されました。また、国民文庫版で「職務上」と訳されている[ex officio]は、他の版では「立場上」「職掌上」「専門的には」などと訳されていることが紹介されました。


[PR]

by shihonron | 2007-02-17 00:00 | 学習会の報告


<< 第48回  2月20日  第3...      第46回 1月30日  第3章... >>