『資本論』を読む会の報告

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2007年 03月 25日

第51回  3月13日  第3章 貨幣または商品流通 第3節 貨幣 a 貨幣蓄蔵

3月13日(火)に第51回の学習会を行いました。「読む会通信」№240を使って前回の復習をした後、「第3章 貨幣または商品流通 第3節 貨幣 a 貨幣蓄蔵」の第7段落から最後(第9段落)までを輪読、検討しました。
 
●は当日の議論の報告、■は資料的なもの、★は報告作成者の個人的意見です。

■テキストの内容と議論    
第3章 貨幣または商品流通 第3節 貨幣  a 貨幣蓄蔵


第7段落
・金を、貨幣として、したがって貨幣蓄蔵の要素として固持するためには、流通することを、または購買手段として享楽手段になってしまうことを、妨げなければならない。
・それだから、貨幣蓄蔵者は黄金呪物のために自分の肉体の欲望を犠牲にするのである。
・彼は禁欲の福音を真剣に考える。
・他方では、彼が貨幣として流通から引き上げることのできるものは、ただ、彼が商品として流通に投ずるものだけである。
・彼は、より多く生産すればするほど、より多く売ることができる。それだから、勤勉と節約と貪欲とが彼の主徳をなすのであり、たくさん売って少なく買うことが彼の経済学の全体をなすのである。

■「享楽手段」は新日本出版社版では「消費手段」となっている。

■福音
(1)〔(ギリシヤ) evangelion〕キリスト教で、イエスの十字架上の死と復活を通して啓示された救いの教え。ゴスペル。
(2)喜ばしい知らせ。「―を待つ」
〔漢訳聖書からの借用語〕(大辞林 第二版より)

■ゴスペル [gospel]
(1)イエス-キリストの説いた神の国と救いに関する福音。
(2)新約聖書の初めの四つの福音書の総称。
■貪欲
〔古くは「とんよく」〕次々と欲を出し満足しないこと。非常に欲張りであること。また、そのさま。金銭欲・物欲だけでなく、知識欲にもいう。「―に知識を吸収する」「―心」 (大辞林 第二版より)

■主徳
「元徳(げんとく)」に同じ。〔cardinal virtues〕各時代・社会において最も基本的な徳。ギリシャではプラトンの知恵・勇気・節制・正義、キリスト教では信仰・希望・愛、儒教思想では五倫五常。主徳。
(大辞林 第二版より)

●「節約」と「貪欲」は反対の意味ではないのかという疑問がだされましたが、節約の反対は浪費であり、「節約」して貨幣を貯め込むことに「貪欲」だということだとの結論になりました。なお、フランス語版の訳では「勤勉、節約、吝嗇」となっている。

第8段落
・蓄蔵貨幣の直接的な形態と並んで、その美的な形態、金銀商品の所有がある。
・それは、ブルジョア社会の富とともに増大する。「金持ちになろう。さもなければ、金持ちらしくみせかけよう。」[Soyons riches ou paraissons riches](ディドロ)
・こうして、一方では、金銀の絶えず拡大する市場が、金銀の貨幣機能にはかかわりなく形成され、他方では、貨幣の潜在的な供給源が形成されて、それが、ことに社会的な荒天期には、流出するのである。

■新日本出版版では「金銀製品」となっている。その方が適切と思われる。

第9段落
・貨幣蓄蔵は金属流通の経済ではいろいろな機能を果たす。
・まず第一の機能は、金銀鋳貨の流出条件から生ずる。
・すでに見たように、商品流通が規模や価格や速度において絶えず変動するのにつれて、貨幣の流通量も休みなく満ち干きする。
・たから、貨幣流通量は、収縮し膨張することができなければならない。
・ある時は貨幣が鋳貨として引き寄せられ、あるときは鋳貨が貨幣としてはじき出されなければならない。
・現実に流通する貨幣量がいつでも流通部面の飽和度に適合しているようにするためには、一国にある金銀量は、現に鋳貨機能を果たしている金銀量よりも大きくなければならない。
・この条件は、貨幣の蓄蔵貨幣形態によって満たされる。
・蓄蔵貨幣貯水池は流通する貨幣の流出流入の水路として同時に役だつのであり、したがって、流通する貨幣がその流通水路からあふれることはないのである。
●「ある時は貨幣が鋳貨として引き寄せられ、あるときは鋳貨が貨幣としてはじき出され」るとあるが、どのようにそれがなされるのだろうかとの疑問が出され、「宿題」となりました。

★「流通する貨幣がその流通水路からあふれる」とは、流通過程に必要以上の鋳貨(流通手段)が存在すると言うことを意味していると思える。

4月1日に脱落していた文章を補いました。


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by shihonron | 2007-03-25 23:30 | 学習会の報告


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