『資本論』を読む会の報告

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2008年 01月 16日

第86回 1月16日 第2節 生産物の比例配分的部分での生産物価値の表示 第3節 

1月16日(水)に第86回の学習会を行いました。「第2節 生産物の比例配分的部分での生産物価値の表示」の第11段落までと「第3節 シーニアの『最後の一時間』」の第1段落から第3段落までを輪読、検討しました。

■テキストの内容要約と議論
第7章 剰余価値率 第2節 生産物の比例配分的部分での生産物価値の表示


・必要労働時間=6時間 剰余労働時間=6時間 労働の搾取度=100%

・12時間労働日の生産物=30シリングという価値のある20ポンドの糸

・消費された生産主題の再現した部分(不変資本部分)=24シリング(綿花20シリング、紡錘など4シリング)

・紡績過程中に生じた6シリングの新価値=可変資本を補填3シリング+剰余価値3シリング

・糸価値30シリング=24シリングc+3シリングv+3シリングm
 20ポンドの糸  =16ポンドの糸(c)+2ポンドの糸(v)+2ポンドの糸(m)
 16ポンドの糸(24シリングの不変資本の価値)=131/3ポンドの糸(原料綿花の 価値20シリング)+22/3ポンドの糸(補助材料や労働手段4シリング)

・c:v:m=8:1:1  cのうち(原料):(補助材料や労働手段)=5:1
 したがって (原料):(補助材料や労働手段):(可変資本部分):(剰余価値部分)
       =20 : 4 : 3 : 3

(原料)       =20シリング= 131/3ポンドの糸→40時間の過去の労働
(補助材料や労働手段)=4シリング = 22/3ポンドの糸 →8時間の過去の労働
(可変資本部分)   =3シリング = 2ポンドの糸  →6時間の労働
(剰余価値部分)   =3シリング = 2ポンドの糸 →6時間の労働

・131/3ポンドの糸は、総生産物の原料だけを表している。

・22/3ポンドの糸は、20ポンドという糸という総生産物に消費された補助材料と労働手段だけを表している。

・16ポンドの糸は、使用価値としてみれば、糸としては、残りの生産物部分と全く同じに紡績労働の形成物であるにもかかわらず、この関連では少しも紡績労働を、つまり紡績過程そのもので吸収された労働を、含んでいない。

・これと反対に残りの4ポンドの糸は、今では、12時間労働の紡績過程で生産された6シリングの新価値の他にはなにも表してはいない。20ポンドの糸に具体化された紡績労働が、生産物の10分の2に集約されているのである。

・こうして毎日の紡績労働の全価値生産物が4ポンドの糸になって存在するのであるが、この4ポンドのうち、半分はただ消費された労働力の補填価値だけを表し、つまり3シリングの可変資本だけを表し、残りの2ポンドの糸はただ3シリングの剰余価値だけを表しているのである。

・20ポンドの糸 ← 60労働時間

・16ポンドの糸 ← 紡績過程以前に過ぎ去った48時間労働
          (糸の生産手段に対象化された労働の物質化)

・4ポンドの糸 ← 紡績過程そのもので支出された12時間労働の物質化

・糸の価値は、糸の生産中に生み出された新価値とすでに糸の生産手段のうちに前から存在していた価値との合計に等しい。今ここで示されたのは、生産物価値のうちの機能的または観念的に違った諸成分は生産物そのものの比例配分的諸部分で表されうる、ということである。

・このように生産物――生産過程の結果――が、ただ生産手段に含まれている労働または不変資本部分だけを表している生産物量と、ただ生産過程でつけ加えられた必要労働または可変資本部分だけを表しているもう一つの生産物量と、ただ同じ過程でつけ加えられ剰余労働または剰余価値だけを表している最後の生産物量とに分かれるということは、のちにこれが複雑で未解決な問題に応用されるときにわかるように、簡単なことであると同時に重要なことでもある。

●ここで言われている《複雑で未解決な問題》とは何かという疑問が出され、「利潤率のことではないか」「スミスのv+mのドグマのことではないか」という発言がありました。

・これまでわれわれは総生産物を12時間労働日の既成の結果として考察した。しかし、われわれはまたこの総生産物といっしょにその成立過程をたどりながら、しかもいくつかの部分生産物を機能的に区別された生産物部分として示すこともできるのである。

・12時間で20ポンドの糸を生産する。
・1時間で12/3ポンドの糸を生産する
・8時間で131/3ポンドの糸を生産する…1労働日に紡がれる綿花の総価値に相当する部分生産物を生産する
・1時間36分で22/3ポンドの糸を生産する…12労働時間中に消費される労働手段の価値を表している
・1時間12分で2ポンドの糸を生産する…6時間の必要労働でつくりだす全価値生産物に等しい生産物価値
・1時間12分で2ポンドの糸を生産する…6時間の労働によって生産された剰余価値に等しい

・このような計算の仕方は、イギリスの工場主のためには日常の使用に役立つのであって、たとえば彼は、1労働日の最初の8時間すなわち3分の2では自分の綿花を回収し、等々と言うであろう。もちろん、この方式は正しい。じっさいそれは、ただ第一の方式を、生産物の諸部分ができ上がって並んでいる空間から、それが次々にでてくる時間に翻訳したものにすぎない。

・しかしまた、この方式は非常に粗雑な考え方をともなうこともありうる。ことに、実際上は価値増殖過程に関心をもちながら理論的にはそれを曲解することを利益とする人々の場合には、なおさらそうである。たとえば、次のように思いこむこともありうる。

・われわれの紡績工は、彼の労働日の最初の8時間では綿花の価値を、次の1時間36分では消費された労働手段の価値を、さらに次の1時間12分では労賃の価値を生産または補填し、そして、ただあの有名な「最後の1時間」だけを工場主に、剰余価値の生産に、捧げるのだ、と。

★紡績工は、8時間で131/3ポンドの糸を生産する。それは、原料である綿花の価値に等しい。しかし、彼が生産したのは糸であり、綿花ではない。彼が8時間で付け加えた(生産した・形成した)価値は4ポンドの糸の価値に等しいのである。原料である綿花の価値は、彼が生産したのではなく糸の生産以前に存在していたのである。紡績工は、糸を生産することによって(紡績労働によって)すでに存在していた綿花の価値を綿花から糸に移転したのである。

▲3月30日に誤字を訂正しました。


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by shihonron | 2008-01-16 00:00 | 学習会の報告


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