『資本論』を読む会の報告

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2008年 04月 21日

第12章 分業とマニュファクチュア 第1節・第2節  のレジュメ

 第12章 分業とマニュファクチュア      2008.4.22
 第1節 マニュファクチュアの二重の起源
本来のマニュファクチュア時代=16世紀中葉から18世紀最後の1/3期
① 分業に基づく協業は,マニュファクチュアにおいて,その典型的な姿態を作り出す。
 それが,資本主義的生産過程の特徴的形態として支配的なのは,おおよそ16世紀中葉から18世紀最後の1/3期(本来のマニュファクチュア時代)のあいだである。
    *初期のマニュファクチュア-----s.355
マニュファクチュアの発生-----二つの道
② マニュファクチュアは,二重の仕方で発生する。
③ 一つには,ある一つの生産物の完成のためにその手を通らねばならないさまざまな種類の自立した手工業の労働者たちが,同じ資本家の指揮のもとで一つの作業場に結合される。たとえば乗用馬車は,車大工,馬具匠,木工細工師,金具師,真ちゅう細工師,ろくろ師,レース飾り屋,ガラス屋,ペンキ屋,ワニス塗師,メッキ屋のような,多数の独立した手工業者たちの労働の総生産物であった。乗用馬車マニュファクチュアは,これらさまざまな手工業者をすべて一つの仕事場に結合し,そこで彼らは同時に助けあいながら労働する。-----単純協業の域を脱していない
 しかし,すぐに本質的な変化が生じる。乗用馬車の製造だけに従事している木工細工師,金具師,真ちゅう細工師などは,自分の従来の手工業をそのすべての範囲にわたって営む習慣と共に,その能力をも,しだいに失ってしまう。他方,彼の一面化された活動は,今や,そのせばめられた活動局面にとって,最も合目的的な形態をとることとなる。
 乗用馬車マニュファクチュアは,自立した諸手工業が一つに結合したものとして現れた。⇒ 徐々に,乗用馬車生産をそのさまざまな特殊作業に分割したものになり,これら作業の一つ一つは,それぞれ一人の労働者の専門的職能に結晶し,その全体が,これら部分労働者の結合によって遂行される。織物マニュファクチュアその他多くのマニュファクチュアも同様。

④ マニュファクチュアは,これとは反対の道をたどっても発生する。
 同一または同種の作業をする,たとえば紙や活字や針をつくる多数の手工業者たちが,同じ資本により同じ作業場で同時に就業させられる。これは,最も単純な形態の協業である。これらの手工業者は,それぞれ完全な商品をつくるのであり,その生産に必要なさまざまな作業を順次に遂行する。
 ところが,やがて,労働が分割される。同じ手工業者によってさまざまな作業が時間的に次々と行われる代わりに,それらの作業がたがいに引き離され,分立され,空間的に並列させられ,それぞれ異なる手工業者に割り当てられ,そして協業者たちによってすべての作業が全部,同時に遂行される。偶然的な分割はしだいに系統的な分業に固まっていく。その商品は,さまざまなことをする自立した手工業者の個人的生産物から,めいめいが同一の部分作業だけを引き続き行う手工業者たちの結合の社会的生産物に転化する。

⑤ マニュファクチュアの発生の仕方(生成)は,二面的。②~④のまとめ
 一方で,種類を異にする自立した諸手工業の結合から出発するのであって,これらの手工業は,自立性を奪われ,一面化され,同一商品の生産過程における相互補足的な部分作業をなすにすぎないところにまで到達する。
 他方で,同じ種類の手工業者たちの協業から出発するのであって,同じ個別的手工業をさまざまな特殊な作業に分解し,これらの作業を分立化させ,自立化させ,それぞれの作業が一人の特殊な労働者の専門的職能になるところまでもっていく(一つの生産過程の中に分業を導入,多量の同種労働の多数の異種労働への分解)。
 しかし,その特殊な出発点がどれであろうと,マニュファクチュアの最終の姿態は同じもの-----人間をその諸器官とする一つの生産機構である。
マニュファクチュアにおける分業----手工業的熟練が生産過程の基礎
⑥ マニュファクチュアにおける分業を正しく理解するには,次の諸点をしっかりとらえておくことが重要である-----まず第一に,生産過程をその特殊な諸局面に分割することが,この場合には,一つの手工業的活動をそのさまざまな部分作業に分解することとまったく一致する。その作業は,組みあわされたものであろうと単純なものであろうと,依然として手工業的であり,したがって,個々の労働者が自分の用具を使用する際の力,熟練,敏速さ,確実さに依存する。手工業が依然として基盤である。この狭い技術的基盤は,生産過程の真に科学的な分割を排除する。というのは,生産物が通過するそれぞれの部分過程は,手工業的部分労働として遂行されうるものでなければならないからである。
 手工業的熟練が依然として生産過程の基礎であるからこそ,各労働者はもっぱら一つの部分機能に適応させられ,彼の労働力はこの部分機能の終生にわたる器官に転化される。
 最後に,この分業は協業の特殊な種類であって,その利点の多くは協業の一般的本質から発生するのであり,協業のこの特殊な形態から発生するのではない。

   第2節 部分労働者とその道具
労働の生産力の向上----部分労働の方法の完成・世代間伝達
① 終生にわたって同一の単純な作業を行う労働者は,自分の身体全体を,その作業の自動的・一面的な器官に転化し,その作業に使う時間は,全系列の諸作業を順次に行う手工業者よりも少ない。マニュファクチュアの生きた機構を形成している結合された全体労働者は,まさしくこのような一面的な部分労働者たちから成り立っている。それゆえ,自立した手工業にくらべると,よりわずかな時間で,より多くのものが生産される-----すなわち労働の生産力が高められる。部分労働の方法も,それが一人の人の専門的職能に自立化されたのちに,さらに完成される。たえず反復し,この限定されたものに注意を集中することにより,目的とする有用効果を最小の力の支出で達成するすべが,経験を通じて教えられる。また,世代を異にする労働者たちが一緒に働くのであるから,技術上のコツは,やがて固定され,堆積され,伝達される。

熟練の伝達----部分労働を終身の職業に転化
② マニュファクチュアは,実際に細目労働者の熟練技を生みだすのであるが,それはすでに社会の中に存在していた自然発生的な職業分化を作業場の内部において再生産し,系統的に極度にまで推し進めることによってである。 マニュファクチュアが部分労働をある人の終身の職業に転化させるということは,職業を世襲化させ,それを身分〔カースト,固定的職業別身分制度〕に石化させ,または,一定の歴史的諸条件が身分制度に矛盾する個人の変異性を生みだす場合には,それを同職組合に骨化させるという従来の諸社会の傾向に照応している。身分の世襲性と同職組合の排他性
・ ダッカのモスリンの優美さ,コロマンドルのサラサその他の布地の色の華麗さと耐久性。それらは,資本も機械設備も分業もなしに,あるいは,ヨーロッパでの製造に多大の利益を与えている他の何らかの手段もなしに,生産される。
③ この蜘蛛のような技巧をインド人にあたえるものは,世代から世代へと積み重ねられ,父から息子へと継承された特殊な熟練にほかならない。

生産性の増大----労働の強度の増大と労働力の不生産的消費の減少
④ 一つの製品を生産する際のさまざまな部分過程を順次にやりとげていく一人の手工業者は,場所を換え,用具を替えなければならない。彼の労働の流れが中断され,彼の労働日にいわばすき間がつくられる。これらのすき間は,彼が同一の作業を一日中引き続いて行うようになると圧縮される。生産性の増大は,この場合,ある与えられた時間内における労働力の支出の増加,すなわち労働の強度の増大によるものであるか,または労働力の不生産的消費の減少によるものである。他面,一様な労働の連続は,活気の緊張力と高揚力を破壊する(この活力は動作の転換そのもののうちに回復と刺激とを見いだす)。
生産性の向上-----道具の改良
⑤ 労働の生産性は,彼の道具の完全さにも依存する。同じ種類の道具が,切ったり,穴をあけたり,突いたり,叩いたりなどする用具のように,異なる労働過程で使用され,また,同じ労働過程で同じ用具が異なる作業に役だてられる。労働用具の分化(特殊な用向きの特殊な固定的諸形態を持つようになる)および労働用具の専門化(それぞれ専門の部分労働者たちの手の中でのみ十分な働きをする)が,マニュファクチュアを特徴づける。バーミンガムだけで約500種のハンマーが生産される。マニュファクチュア時代は,労働道具を部分労働者たちの専門的な特殊職能に適合させることにより,それらの道具を単純化し,改良し,多様化する。それによって,マニュファクチュア時代は,同時に,単純な諸用具の結合から成り立つ機械設備の物質的諸条件の一つを作り出す。
⑥ 細部労働者と彼の道具は,マニュファクチュアの単純な諸要素を形成する。


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by shihonron | 2008-04-21 12:00 | レジュメ


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